歩数や距離を計測できるアイテムは主に3つ。
・スマホのアプリ
・歩数計(万歩計)
・スマートウォッチ
結局、どれが一番良いのか、気になりますよね。
私も以前から気になっていたので、
「3つのうちどれが一番正確に歩数を測れるのか」
を実験してみました。
結果、
どのような速度でもカウントする=歩数計
「ウォーキング」している歩数を正確に測れる=スマートウォッチ
となりました。
※スマホのアプリはその中間
ウォーキングでダイエットや健康維持を考えている方は、スマートウォッチをオススメします。
\実験結果から見たい方はこちら/
Contents
歩数はどうやって計測される?
スマホや万歩計には「加速度センサー」という、上下左右、前後の動き、そして速度を感知するセンサーが内蔵されており、歩数を計測しています。
最近のスマホは「ジャイロセンサー」という回転も感知できるセンサーが内蔵されているものが多く、より高度な運動計測を可能にしています。
3軸加速度センサーとは
昔のいわゆる「万歩計」というものは上下の振動を感知して歩数をカウントしていました。※現在では万歩計と呼ばず「歩数計」と呼ばることが多い
初めて開発されたのはなんと1780年で、伊能忠敬が日本地図を作ったときもこの技術が使われていたようです。
日本では、ヨーロッパ製の歩数計を江戸時代中期に平賀源内が改良して「量程器」というものを作り、江戸時代後期には伊能忠敬が日本地図の作成にあたって、「量程車」という計測器と「歩度計」という歩数計を使用して全国を歩いたといわれている。
出典:Wikipedia「歩数計」より
その後、技術が進み、速度を感知する「加速度センサー」というものが登場。
・上下方向を感知する1軸加速度センサー
・上下左右を感知する2軸加速度センサー
・上下左右と前後を感知する3軸加速度センサー
が様々な機械に導入されるようになりました。
応用例
携帯電話
地球の重力加速度を計測することで携帯電話の傾きを検出し、画面が常に正しい向きで表示されるようにしている。ゲームコントローラ
Wiiリモコン等ハードディスクの振動検知
ロボットの姿勢制御等
ドローンの姿勢制御、慣性航法等
出典:Wikipedia「加速度計」より
現在の歩数計やスマホには主に「3軸加速度センサー」が内蔵されています。
3軸ジャイロセンサーとは
ジャイロセンサーは加速度センサーでは検知できない回転の動きを測定することができます。※ジャイロセンサーは「ジャイロスコープ」とも呼ばれています。
加速度センサーと共に古くからある技術ですが、小型化が進み、スマホやその他様々な機械に導入されるようになっています。
応用例
姿勢制御
∠航空機
∠人工衛星安定化
∠カメラの手ぶれ補正
∠自動車の横転防止
∠鉄道の揺れ防止運動計測
∠スマートフォン
∠ゲームコントローラ出典:Wikipedia「ジャイロスコープ」より
昔は「iphoneには3軸ジャイロセンサーが導入されているから、歩数の計測が正確」と言われていましたが、最近は安価なスマホやスマートウォッチにも導入されるようになっています。
歩数計やスマホに入っているセンサーは?
スマホや歩数計は加速度センサーやジャイロセンサーが使用されていますが、主に
3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーの6軸
3軸加速度センサーのみ
の2種類があります。
最近のスマホやスマートウォッチは加速度、ジャイロ両方が内蔵されているものが多く、歩数計は「3軸加速度センサーのみ」のものが多いです。
階段や自転車を使いつつ歩数を計測してみた
歩数計、スマホの種類、スマートウォッチで歩数のカウントに違いはあるのか?
回転を感知するジャイロセンサーが入っていた方が正確に歩数が測れるのか?
気になりますよね。
違いを見るために、
3軸加速度センサーのみ | 3軸加速度センサー&3軸ジャイロセンサー |
・タニタの歩数計 | ・iphone 8 ・Huaweiのnova3 ・スマートウォッチ(mi band 5) |
↑の4つの機械を使い、
・途中で階段を使う
・自転車&徒歩
の2パターンで計測してみました。
途中で階段を使いつつ2,000歩ウォーキングしてみた
最初は家から隣駅の喫茶店まで、途中で階段を使いながら歩いてみました。

頭の中で何百、何千と数えるのは難しいので、100歩ごとにノートへ書きながら歩きました。

実際に歩いたのは2,175歩。 さて、結果はどうだったでしょうか。
家を出る前のデータ | |||
tanitaの歩数計 | スマートウォッチ | Huawei nova3 | iphone 8 |
![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
27歩 | 670歩 | 6,044歩 | 5,119歩 |

喫茶店に着いたときのデータ | |||
tanitaの歩数計 | スマートウォッチ | Huawei nova3 | iphone 8 |
![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
2,190歩 | 2,787歩 | 8,239歩 | 7,316歩 |
まとめると以下のようになります。
実際に歩いた歩数2,175歩 | ||
計測データ | 誤差 | |
タニタ:歩数計 | 2,163歩 | -12 |
mi band 5:スマートウォッチ | 2,117歩 | -58 |
nova3:スマホ | 2,195歩 | 20 |
iphone 8:スマホ | 2,197歩 | 22 |
意外にもタニタの歩数計が一番誤差が少ない結果となりました。
途中、自転車も使いながら800歩ウォーキングしてみた
帰りは、レンタルサイクルを使って移動してみました。 途中、自転車を降りてスーパーで買い物し、そのあと駅近くの駐輪所に自転車を停めて、家まで徒歩。

結果、どうだったかというと・・・
実際に歩いた歩数802歩 | ||
計測データ | 誤差 | |
タニタ:歩数計 | 727歩 | -75 |
mi band 5:スマートウォッチ | 677歩 | -125 |
nova3:スマホ | 825歩 | 23 |
iphone 8:スマホ | 903歩 | 101 |
かなりバラけました。
※スマホ2台の誤差が大きかったのは、1台はレンタルサイクル用に取り出してポケットに入れていたから。 (もう1台はカバンに入れっぱなし)
スマートウォッチの誤差の原因は「ウォーキング」を正確に計測していたから
多少の条件の違いがあるとはいえ、誤差が少なかったのは、Huaweiのnova3(スマホ)とタニタの歩数計でした。
機械としては一番新しいはずのスマートウォッチ(mi band 5)がなぜ誤差が大きかったのか?
最初は「腕にはめていたからかな?」と思っていたんですが、アプリを見ると原因が分かりました。

スマートウォッチは「ウォーキングしている速さ」も計測していたようです。
・信号待ちでゆっくり止まるとき
・スーパーでゆったり歩いて買い物しているとき
のような、歩いているとは言えない状態はカウントしないみたいですね。
つまり、「ウォーキング」のみを正確に計測しているということ。
さすが最新技術です。
まとめ
実験の結果、以下のことが分かりました。
歩数計
どのような速度でも歩数をカウント
スマートウォッチ
センサーを最大限に生かして、いわゆる「ウォーキング」をしている歩数のみを正確にカウント
スマホ
歩数計とスマートウォッチの中間
【補足】スマホの種類による歩数計測の違いはほとんど見られませんでした
「ウォーキング始めようと思っているんだけど、歩数はどれで数えた方が良い?」という問いに対しては、
・スマホを持っていない、スマホのバッテリーを使いたくないという方は歩数計
・運動していることを正確に測りたい人はスマートウォッチ
・スマホを持っていてお金を使いたくない人はスマホのアプリ
という回答になります。
ダイエットが目的でウォーキングをする方は断然スマートウォッチがオススメです。
ちなみに私は今までウォーキングのデータをiphoneの「ヘルスケア」で管理していたのですが、今回をきっかけにスマートウォッチに変えることにしました。
